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■北の大地にある競馬場には、世界中のどんな競馬場にもないものがある。
 さて、顔面にシュートを食らったワタクシ。内出血して腫れたまぶたのまま、土曜の朝には羽田空港におりました。周囲の人々と比べてかなり厚着をしております。それもそのはず。ワタクシは宇都宮競馬仲間と帯広へと向かうことになっていたのである。
 帯広へ競馬仲間と行くわけで、目的はもちろんばんえい競馬。そして、ばんえい競馬最大のレース、ばんえい記念。
 ってなわけで羽田空港へ集まったワタクシ達一行。実はこの旅行はこの春めでたいことがあった仲間のお祝いも兼ねてのもので、おめでとーとか何とか言いつつヒコーキへ乗り込む。
 帯広へ向かうヒコーキなんだが、どうやら大分から羽田へ来たヒコーキらしく、何故か機内に大分合同新聞があったりする。スポーツ報知を手にとってみれば、ものの見事に九州版。競馬欄を観てみれば佐賀競馬の年度末をしめくくる「はがくれ大賞典(G1)」の予想が出てきて思わず反応したりしております。
 しかも、バラバラにチェックインしたにもかかわらず、偶然仲間同士で席が隣だったりして機内では楽しく過ごせたわけですが、やっぱりアタマ痛くなんるんだよなーヒコーキって。特に着陸時が辛い。何とかならんもんかねこれは。
 で、帯広に降り立った競馬馬鹿一行。とはいえ、ちゃんと観光っぽいこともするんですよワタクシ達一行は。というわけでまずはクルマを調達。とはいえ予約がなかったため、2軒断られて3軒目のトヨタレンタカーでヴィッツをゲット。そしてクルマは幸福駅へ。ベタベタやなー。幸福駅にて10年以上前にワタクシが貼り付けたモノを探すけど当然見つからず。
 付近を散策したり、土産物屋をのぞいたり、写真撮ったり。一段落してクルマを市内へと向け、まずは昼飯。帯広で食事となると当然豚丼となるわけで、
「ぶたはげ」
なるお店で昼食。BSE騒ぎで牛丼の代用品として作られている豚丼とは全くの別物で、以前よりこの地を中心に食されているものです。濃いめのタレと大ぶりの豚肉がご飯に合いまくり。こってりしてて味も濃いけど、シツコイという感じは全然無くて。うまかったなー。
 昼飯のあとはやっぱりデザート。
「幸福駅→豚丼」
などというベタベタな観光のしめくくりは当然のごとく六花亭。あまりにも有名なお菓子屋さんですが、本店は帯広にあり、(たぶん)ここでしか食べられないものがあるんですよ。その名も

「サクサクパイ」

というお菓子で、お土産などをひとしきり品定めした後、こいつをおやつとしてみんなで食べる。うめー。
 このサクサクパイ、チクワ状のパイの中心にカスタードクリームが詰まっているというものですが特筆すべきはその賞味期限。お店には、

「お買いあげ後3時間以内にお召し上がりください」

と書いてあり、つまり賞味期限3時間ということになるわけです。食べてみるとその名に恥じないサクサクなパイにカスタードクリームがマッチしておりこれまたウマイ。しかもお値段も至極リーズナブルで、こいつをいつも食べられる帯広市民は幸せ者だなぁ、なんて思っちゃうわけです。先ほどの豚肉&ご飯に匹敵するハーモニーですぞこれは。

 さて、ベタベタな観光はこれくらいにして、今から行けばギリギリでメインレースに間に合いそうだというわけで、本来の目的地である帯広競馬場へ。そこにレースがあると馬券を買わずにいられないというあたりが競馬馬鹿なわけですが、もともと競馬で知り合ったんだからしょーがないのである。
 帯広競馬場は元々平地競争もやっていたんですが、今はばんえい競馬のみ開催しており、場内ではそのコースの一部を開放して、
「かぶりつき」
で観られるようになっていたりして、なかなか良い感じです。
 まぁ、最終レースをつまみ食いして、クルマを宿へ。荷物を置いて夜の帯広へ繰り出すワタクシ達。夜になると競馬馬鹿が酔っぱらいに変身するんですよ。
 まずは北海道ということでジンギスカン。新鮮なラムに舌鼓をうちつつビールやら焼酎をグイグイと。焼酎はボトルを入れてお湯割りで飲んでいたんですが、どうやらワタクシの作るお湯割りは濃すぎることが判明。…うーむ、そうなのか。
 さて、ジンギスカンのあとワンポイントリリーフを挟んで、締めくくりは「北の屋台」なる屋台村。そして、ここで当てずっぽうに入った「農屋」というお店が大当たり。
 出てくるもの出てくるもの全てがウマイという感動的なお店。ワタクシが特に気に入ったのは
「とまらない豆」
というもの。これ、大豆を煮てシンプルに味付けしたものですが、これが本当につまみ出すととまらない上に酒が進む。他にもビフトロという牛肉のルイベ、そしてソフトドリンクだけどトマトジュースがこれまた絶品。トマトが大の苦手と公言しているワタクシですらスイスイ飲めてしまう美味さ。いやー、こんなお店があったら毎日通うぞホントに。
 さて翌朝。このところ酒を飲んだ翌朝は記憶が残ってないのに酒が残ってることが多くてねぇ…。起きてからしばらくは平気だったんですが、徐々に調子が悪くなり、クルマの中では意識がもうろうとしておりました。競馬場に行く前に観光がてら出かけた日勝峠の展望台に着いたころにはグロッキー状態。ぐぇぇぇぇ。
 そんなこんなでグダグダになりつつも、いざ帯広競馬場へ!
 で、馬券を買うわけですが、これがまったく当たらないんですよ。しかも体調は相変わらずで、しばらくベンチで死んでおりました。が、名物らしき「いももち」を食べて復活。カメラ片手に歩き回ったりして。でも馬券は当たらず…。
 徐々に食欲が出てきて、今度は「あげいも」というのを食べてみたわけですが…って良く考えたらでんぷんしか食ってねーよ…。

 そして、メインレースのばんえい記念。
 スーパーペガサスが先頭で第2障害を越えたとき、競馬場は興奮の坩堝と化しました。あちこちで歓声があがり、スーパーペガサスへの声援が飛ぶ…。
 競馬だから、いろんな馬を応援するひとがいるはずで、勝つと信じて自分がいくばくかのお金を投資した馬を応援するひともいたはずで、いろんな声が競馬場のあちこちであがっていたはず。
 でも、そのとき、帯広競馬場はそのレースを楽しむって気持ちでひとつになっていたのです。そして、そのレースの主役は前未到の4連覇を成し遂げたスーパーペガサスでした。

「何だかわからないけど、何だかすごいな」

と、ワタクシは思ったのです。
 日本という小さな国の、さらに北のはずれにある小さな競馬場には、世界中のどんな競馬場にもない何かがあるのです。
 それは実際にレースを観てこそ感じることができる何かで、そしてその何かが生み出す空気はとても心地よいものなのです。
 だからこそ、競馬場の帰り道、ワタクシとワタクシの仲間はみんな口をそろえて
「来年も絶対来よう」
って言っていたのでしょう。

 日本という小さな国の、そのさらに北のはずれにある小さな競馬場には、世界中のどんな競馬場にもない、素敵な何かがあるのです。


コメント(5)|Track back(0)|お馬さん劇場
2006-03-28 23:49:36



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